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東洋医学と現代医療

東洋医学と現代医療

鍼治療の可能性(人医療での応用)

まだまだ、動物医療においても東洋医学は軽視されています。
しかし、高齢化社会になりつつある人医療において注目され始めている東洋医学は動物医療でも今後、発展しなければならない分野だと思われます。
人医療での東洋医学で学びながら、動物医療への応用を日々、模索しております。  

人医療では医学部の教育カリキュラムに2001年から東洋医学概説が導入され、2004年には全ての医学部・医科大学で東洋医学教育が実施されています。東洋医学を学んだ医学生の95%が現代医療に必要であると判断したとデータがあります。実際には、ここ数年で医療現場、大学病院で東洋医学を併設する施設が増えています。
 
実際の人医療でのケース
がん患者の緩和医療・・がん患者の6~7割が痛みを訴えるとされる。呼吸困難・だるさや倦怠感・吐き気はQOLを著しく下げる。以前は主に末期の状態から治療を行ったが、最近では初期の段階から積極的に行っている。
モルヒネなどの鎮痛薬が効きにくい神経の障害の痛みにも効果的である。乳がん術後の痛み、傷口の痛み、入院中の食道癌や肺癌の人のコリや痛み。(国立がん中央センター) 
腹膜炎を併発した末期の胃癌患者に鍼治療したところ、むくみによる痛みやしびれ、便秘が改善し流動食をとれるようになり、QOLが改善され、亡くなる5日前まで治療を希望したというデータがある。
ちなみに鍼治療を受けた人の74%で自覚症状が改善されたと答えた。とくに効果は痛みの減少が多かった。

透析患者の副作用軽減・・透析治療は様々な合併症を起こす。主に関節の痛み・皮膚の痒み・だるさ・イライラ感・不眠である。しかし、透析患者は高齢であったり、既に大量の薬を服用している場合が多く、薬を増やせない。そこで週に1~3回、鍼治療を行い1か月後、1年後のデータを調べた。
 VAS(視覚アナログ尺度。痛みの強さを第3者に伝えるために100mm~0mmで痛みの強さを表した)。腰痛・手足のしびれ・肩こりなどが治療前に55~90mm→20~40mm(1年後)皮膚のかゆみ・倦怠感も70~100mm→30~45mm(1年後)に改善した。QOLの評価としては鍼治療を行ったことで、あまり疲れずに行動できるようになった、眠りにつきやすい、熟睡できるようになったと改善が見られた。
 さらに、血液検査ではBUN,Ht,Hb,Albの改善が見られ、全身症状の緩和に加えて腎機能の改善も期待できることが分かった。(埼玉医科大学東洋医学科)

高齢者の健康維持・・高齢により嚥下機能が衰えることで増える誤嚥性肺炎。その予防に鍼治療をした。1mlの水を喉に注入し、嚥下反射が起こるまでの時間を計測した。5秒以上で誤嚥のリスクが高まる。
調査対象の高齢者は平均10秒であった。鍼治療後平均5秒以内に改善した。
        
脳血管障害・腰痛で慢性的な歩行障害のある患者に鍼治療をし、TUGテストを行った。
タイムアップアゴーテスト・・椅子から立ち上がり、3M歩いてUターンし椅子に戻る時間を計るテストで16秒以上かかると転倒の危険があるとされる。治療前は平均18秒だったのが、治療後は平均14秒に改善された。被験者は「歩きやすくなった」「足が軽くなった」と言う声があった。

脳血管障害の後遺症の改善・・リハビリに鍼治療を併用することで、体が動きやすくなり、運動量を増やし、筋肉をつける事が出来る。
        
醒脳開きょう法・・発症直後から採用することで脂肪率低下・ADL(日常生活動作)の向上、合併症の治療・再発予防などに効果がある。
脳血管障害237名(脳梗塞137名、脳内出血60名)にリハビリとこの治療法を行った。
麻痺による症状が改善された例は脳梗塞で78%、脳内出血で71%だった。そのうち、手の上げ下げは35%が改善、足の動きは90%が改善した。とくにある程度の筋力を残している不全麻痺は劇的な効果が見られた。(牧田総合病院・禎心会病院)
また、在宅医療において、鍼治療による筋肉の拘縮が改善できれば、体位変換や衣服の着脱等も楽になり、介護の負担を軽減できる。

脳の細胞新生の研究・・麻酔下のラットに脳卒中による意識障害や運動機能障害のために使われる経穴を刺激し、脳細胞の再生について研究した。鍼刺激は1日1回30分、5日間行った。比較には30分間麻酔のみをラットに行った。実験終了3日後に脳を取り出し、海馬歯状回を調べた。結果、麻酔のみのラットより、鍼治療したラットの方がより多くの細胞新生が見られた。(自治医科大学)

褥瘡と歯科領域・・褥瘡は局所の血行不良と酸素不足、免疫機能の低下により局所の皮膚の組織が壊死や炎症をおこすことによっておこる。一般的な治療に加え、全身治療として頭部・顔面・腕・足に、局所の褥瘡部の周囲に鍼を刺し、10分毎日、置き鍼を行った。仙骨部の4cmにえぐれていた皮膚が1週間後には小さくなっていった。(牧田総合病院)
  また、顎関節症、歯ぎしり、舌痛症、口腔乾燥症、など、なかなか原因が掴めないもの、繰り返し出来る口内炎にも利用している。歯肉炎は口内の原因菌を殺菌し、口の中を清潔にすることで、防ぐしかないと言われている。口内の細菌を根絶することは難しいので、鍼灸で全身状態を調整し免疫力を上げれば歯肉炎の炎症を防ぐことが出来ると考えられている(日本歯科東洋医学会)

人間ドックとして・・症状はあっても、数値や画像には異常が見られない病気や西洋薬で効果がなかったり、副作用が出る病気もある。人間ドックや健康診断では病気を早期に発見できても、病気になる前に病気を見つけることはできない。そのため、東洋医学的な診断法である望診・切診・問診などの四診を加えている施設も出てきている。

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